学生ブログ

2020.10.07

町内の絆と思い

こんにちは、藤田です!

突然ですが、つくりもんまつりにはどのくらいの団体が参加し、作品を制作していると思いますか?

実は40団体ほどが参加し、作品を出展しているんです。
なので、つくりもんまつり当日は、福岡町の至るところにつくりもんが点在する、独特な町の様子を見ることができます。

そして、そのつくりもんの多くは、自治会からの出展になります。まつりの約1ヶ月前から町内の人々が集い、制作を行います。
制作は仕事が終わってから始め、夜10時頃まで取り組むことが多いそうです。

こちらは昨年の作業風景です。多くの人がつくりもんの制作に携わっていることが分かります。

 




また、つくりもんには、それぞれの職種や得意技能が大いに活かされています。
町内ごとのノウハウや、長く受け継がれている技術もあるそうですよ。

そんな労力がかかるつくりもんの制作には、お酒や賄いが欠かせません!
奥様が食事を用意して、制作を行う旦那様を支えているそうです!
つくりもんの制作はもちろん、美味しい賄いやお酒を飲んで交流することで、その町内の絆が深まっているのですね!

そしてなんと、奥様のアイデアがつくりもんに取り入れられることもあるそうです。
普段料理をする奥様だからこそ、見えてくるものがあるのかもしれませんね!

祭の前日になると、つくりもんを何としても完成させるぞ!絶対に傷つけてはいけないぞ!という思いで、
制作現場に緊張が走ることもあるそうです。

このような制作期間や、その間に深められた町内の絆や思いを考えて、改めて作品を見ると、より感慨深い気持ちになります。
制作者の思いはもちろん、家族の支えがあってこそ、見応えのある作品が出来上がっているのですね。


☆2020つくりもんコンテスト締め切り(10月23日)まであと16日!

2020.10.06

びっくり!?なつくりもん

 こんにちは!吉田です。


つくりもんの特徴と言えば、スケール感が一つに挙げられますよね。
大きい作品は高さ6mを超えることもあるのだそう!
今日はこれまでに制作されたBIG!なつくりもんをご紹介します。

 

こちらは、2010年に制作された鏡獅子です。

 足元のナスと比較してみると、その大きさが感じられますね。
大きくつくられているからこそ、髪を表現する植物の繊維一本一本がとてもリアルです。


この作品を制作された末広会さんは、とびきりスケールの大きい作品を出品されています!

どれも迫力満載ですね!

 

中にはこんな作品も。

 こちらは2018年に制作された、スタジオジブリの「となりのトトロ」の作品。
実際に傘の下に入って記念撮影ができるのです!
トトロのいる世界に入れたみたいで、ワクワクしてしまいますね!

 

オンライン開催の2020つくりもんコンテストで応募できる作品には、1m×1mのサイズ規定があります。
今年度大きな作品を見ることはできませんが、機会がありましたら是非大きなつくりもんを見上げにいらしてください!

2020つくりもんコンテスト締め切り(1023)まであと17日!

2020.10.05

福岡町ってこんなところ!―雅楽のまち―

 こんにちは!吉田です。

今日はつくりもんからは少し離れて、福岡町のまた違う魅力をご紹介します。

 福岡町はつくりもんまつり以外にも様々な伝統が継承されている地で、その一つに雅楽が挙げられます。

 江戸時代の後期に神社や寺院の式楽として雅楽が親しまれたのが始まりとなり、
文久元(1861)年には、「暢日連」という愛好会がされました。
後に「洋遊会」として新たに組織され、平成23年に発足150周年を迎えました。

 洋遊会さんは福岡町だけでなく、全国各地の行事や、海外でも活躍されているそうですよ!
まさにクールジャパン、大切な伝統ですね。

また雅楽は、昭和45年に旧福岡町の無形文化財に指定されており、
福岡駅前には、雅楽の装束や楽器の展示が行われている「雅楽の館」があります。

我々も実際に訪問してみました!

 

ほとんどが実際に使用されていた品物で、繊細なものばかりで感動しました。
その中でも特に迫力のあったものがこちら。

 これは「蘭陵王」という曲目のもので、平安時代のスポーツ行事では花形の、応援の舞として親しまれていたようです。
とても貴重な絹糸などが用いられていて、とても高価なものなのだとか…!?

 ところでみなさん、この蘭陵王…どこかで見たことありませんか?

 実はなんと、

 2016年に大型の部で優勝した末広会さんのつくりもんが、この「蘭陵王」をモチーフにしているのです!
再現度の高さも素晴らしいですが、勇ましいお顔もまた迫力がありますね!

また蘭陵王のつくりもんのレプリカが、福岡駅併設の福岡観光物産館で展示されています。
いつか福岡町に来た時には、実際に見てみてくださいね!

 

2020つくりもんコンテスト締め切り(1023)まであと18日!

2020.10.04

つくりもん、じっくり見てみると…

 こんにちは、藤田です!

今日は過去の作品の中から面白いアイデアや工夫が見られる作品をいくつか紹介していきたいと思います。
つくりもんには、ぱっと見ただけでは分からない、細かい工夫がたくさん詰まっているんです!!

まずは、2014年一般の部の優勝作品にも選ばれたこちらの作品を見ていきましょう。

巨大な風車と、赤色や黄色の鮮やかなお花が並んだ風景を表した作品です。

このお花はミニトマトで出来ていて、平地に彩りよく並ぶ様子をそのまま再現するために、
一つ一つのミニトマトがよく考えられて配置されています。
全体を見ると、カーブの模様が綺麗に浮かび上がっています。

近くから見ても、遠くから見ても楽しめる、大型作品ならではの創意工夫が為された作品ですね…!


その他にも、鳥が飛んでいる様子を再現するために、上から吊り下げられた作品や、

温泉に入っている様子を再現するために、水を使った作品、

野菜の他に植物も使って、夜空に打ち上げられた鮮やかな花火を再現している作品もあります。

暗闇に消えていく花火の様を、穂を使って上手く表現していますね!

こちらの作品では、野菜や植物の葉を使って江戸時代の衣服が表されています。

人物を作る際は、この作品のように、葉の色や形、質感を使い分けて衣服を作ってみてはどうでしょうか?

料理に使わないような野菜の葉や皮、茎などを使ってみるのもおススメです!
普段なら捨てられてしまう食材も、作品として生まれ変わることができるかもしれません…!

☆2020つくりもんコンテスト締め切り(10月23日)まであと19日!

2020.10.03

野菜は形だけじゃない!色の使い方も!

 

 こんにちは!中西です。

今日は、つくりもんを構成している野菜の色に注目していきます。
野菜だけだとその色が限定されてしまいそうですよね。
でも、大丈夫です。実は野菜たち、様々な色に変化してくれます!

例えば、白色の表現も野菜の白い部分を使うことだけが表現手段ではありません。
この作品を見てください。



兎の表現に緑の野菜が主に使われていますが、白っぽく見えますね。
これは、飛んでいる白菜の鳥や白菜の山が白だけでなく淡い緑を含んでいることで、淡い緑も白と認識しやすくなっています。
兎の体は、淡い緑なので兎が持っている杵のヘチマと臼のカボチャの明度差から最も明度の高い白と連想しやすいです。
また、兎の形がしっかり分りやすいので、兎は白い毛並みという固定観念からも白を想像できます。
このように形から色をイメージさせることも技術の一つですね。

つくりもんの色の表現を上げてきましたが、最も表現しにくい色としてあげられるのが青色です。
青色の部分は、周りの野菜が作り上げた形から連想させたり、青に近い緑を代用として使ったりすることがあります。
日本では緑色の野菜を「青菜」、新緑を指して「青々とした緑」などと呼ぶ習慣がありますから、緑で表現しても青の部類に入るのかもしれませんね。

他にも人間を表現するとき、安直に肌色を再現することが重要ではないのです。
ここで重要になってくるのは、人が着ている服の色や身につけている装飾品です。
服の文化は人が長い歴史の中で確立してきた他の動物との違いの一つです。
それらを丁寧に作ることで、その服装からその人の職業や時代もイメージすることもできますね。
(写真のつくりもんは水戸黄門の有名なワンシーンですね!)
 

色の固定観念に囚われない作品は、野菜のもつ彩り豊かさが出ていてとても見応えがありました!
今年のつくりもんコンテストでは、どんな作品が出てくるか楽しみです!
皆さんのつくりもんをお待ちしております!

2020つくりもんコンテスト締め切り(1023)まであと20日!

2020.10.02

どんな野菜?どんなところから?

こんにちは!吉田です。

つくりもんには、多くの種類の野菜が使われていますよね。
今日はそんな野菜の種類や入手方法をご紹介します!

つくりもんの野菜の調達は団体によって様々です。
市場から仕入れたり、直接知り合いの農家さんから売り物になりづらい野菜をいただいたりすることもあります。

つくりもんに使われている野菜には、豆やナス、きゅうり、唐辛子などなど…よく知る野菜もたくさんありますが、
食用としては見かけない野菜も多く見られますよね!
そういったものは、その野菜の農家さんから入手することが多いそうです。


ジャンボカボチャは、入手するために富山県の入善町まで赴く方もいらっしゃいます!

今年は全国から、各地の面白い野菜を使った作品の応募があると嬉しいですね。

また、野菜は自然現象に左右されるものなので、不作の年もあったりして、
中々思った野菜が入手できないこともあるそうです。

野菜の素材を活かす作り方を知った時も感じましたが、一期一会で運命的な場面も含むお祭りだなと思いました!

その年にしか生まれない世界に一つだけのつくりもん…素敵じゃないですか?

2020つくりもんコンテスト締め切り(1023日)まであと21日!

2020.10.01

気になった作品 Pick up! 

 

こんにちは中西です。今日で9月も終わり今日からは10月ですね。神無月では、全国の神様が出雲に集まってどんなご縁を結ばせるか会議をするそうです。このブログを見ていただいたのも何かのご縁、つくりもんまつりについて少しでも興味を持って頂ければ幸いです。

今日はつくりもんまつりにある作品の中から、私が気になった作品を紹介していきます。
私が気になった作品はこちらです。


実は、つくりもんまつりの作品を見たとき何だか何処かで見たような気がしていたんです。その正体が遂にこの作品で分りました!ズバリこの作品を見て下さい!

アルチンボルドの写真:https://www.musey.net
一度は何処かでお見かけしたことはないでしょうか。そうアルチンボルドの絵画、「春」「夏」「秋」「冬」-連作《四季》より-です。顔のつくりが野菜!まさにつくりもんまつりのつくりもんと共通していますね。 

アルチンボルドは、五穀豊穣的な意味合いではなく、謎やパズル・だまし絵といった風変わりなものに魅了されていたルネサンス期の影響から、この様な作品を制作したとされています。アルチンボルドの作品は顔の造形に形を絞った作品が多く、それに対してつくりもんまつりの作品は体全体を作る傾向にありますね。使われている素材も、西洋的なブドウやイチジクなど食文化の違いも見られます。また、絵画は平面であり一方向の図を見せる構図です。一方の立体物は360度見られることがその魅力の一つ。アルチンボルドの絵画は想像の野菜を、つくりもんまつりの野菜は現実に存在しているものを使うのも特徴ですね。どちら共にそれぞれの魅力があるので見ていて飽きませんね。

こうして考えてみると似ているように思えた作品は、その作業過程から作品をつくる経緯、長い時間、遠く離れた土地など、全く異なる条件から制作された事に驚きました。しかし、二つに共通する食は世界中のどんな人にも共通しますね。アルチンボルドも福岡の人々も勿論私も、食べることで生きてきました。何処の誰にとっても近しく必要不可欠なもので、食を考えない日は無いでしょう。そうした食を通して人と人が繋がるつくりもんまつりには、絵画のように言語で阻まれない魅力があると思います。

是非つくりもんまつりに足を運んで、言葉ではなく心で体感してみてはいかがでしょう? 

2020つくりもんコンテスト締め切り(1023日)まであと22日!

2020.09.30

つくりもんってどう作るの?

 

こんにちは、中西です。

今まで、つくりもんまつりの歴史や地域との関係性について話してきました。でも、実際つくりもんってどう作っているの?と思われている頃だと思います。そこで今回は、私たちが実際に挑戦したつくりもんの作り方《小さいサイズ》を紹介します。

【道具】:爪楊枝・竹串・金槌・ボンド・グルーガン・キリ
【材料】:野菜(ちょっと変わった材料例:トウモロコシの種・麩・卵の殻・落花生の殻・パンの耳...)野菜の他にも色々なものを使ってみると創造の幅が広がるかもしれません。 
『ポイント!』
野菜は同じサイズばかりではなくサイズ間の違うものを選ぶとつくりやすいです。 

1. 野菜選び
つくりもんの作り方は大まかに分けて2通りあります。1通り目は、野菜の形からインスピレーションを受けて題材を考える方法。2通り目は、題材を決めてから合う野菜を決めていく方法です。野菜選びは、どちらかやりやすい方法で選ぶのが作りやすいかもしれません。
『ポイント!』
野菜自体を切ったり加工したりせず、野菜のその物の形を生かした作品になるとつくりもんらしい作品になります。

2.大きな野菜をくっつける
骨格や体格、根幹になる大きな野菜同士をくっつけます。また、穴が空きにくい野菜は電子ドリルで予め穴を開けておき、竹串でくっつけるとスムーズに接合できます。大きな野菜は竹串一本だと支えられない事があるので、何本かバランス良く入れておくと安定しやすいかもしれません。顔のパーツや装飾といった細かいパーツは、後に付ける方が仕上げやすいです。
『ポイント!』
カボチャや瓜など丸いものが地面との接着面になると不安定になることがあります。そういった場合は予め釘の打ってある木の台に固定すると安定します。

3
.小さな野菜をくっつける
野菜と野菜をくっつける方法も、幾つかあります。爪楊枝を野菜に刺してくっつける事が多いですが、くっつきにくい場合は竹串を使ったり数を増やしたりすることで固定します。それでもくっつかないものは、あまり使わない方が良いですがボンドやグルーガンを作って接着します。 
『ポイント!』
中身がギッシリ詰まっているカボチャやナスなどの野菜と野菜はくっつきやすいです。しかし、ピーマンやトマトと言ったものは、爪楊枝では接合威力が弱いので注意です!

今回紹介したのは、小さいサイズのつくりもんですが、大きな作品の場合はまた制作過程が違ってきます。サイズがとても大きいので、骨格は野菜で作らず表面に野菜を配置することが多いそうです。

今年のオンライン開催であるつくりもんコンテスト2020は小さいサイズのつくりもんが作る事がメインです。皆さんのオリジナリティー溢れるつくりもんのご応募楽しみにしています!

2020つくりもんコンテスト締め切り(1023日)まであと23日!

2020.09.29

気になった作品 pickup!

こんにちは、藤田です!

今日は、これまでの作品の中から、藤田が気になった作品について紹介していきたいと思います!

私が紹介したい作品は、2013年に中島町自治会によって制作された『コイ船』です。
この作品は2013年の一般の部優勝作品にも選ばれました。

まず注目してほしいのが、躍動感あふれる波の表現です。岸に向かって押し寄せる波を、白菜の葉で表しています。波の立体感を出す為に、一枚一枚の葉の置き方に工夫を凝らしていることがよく分かります。

さらに、岸近くの葉は薄い色、遠くは濃い色の葉が使われていて、水深による水の色の変化を野菜で忠実に再現しています。

船先の方にある葉をよく見ると、水しぶきまでも上手く表現していて、制作者の作品に対する情熱を感じます!

また、モザイクアートのように精密に並べられた帆の表現や、じゃがいもで作られた岩壁(だと思われる)の表現も野菜の特性を活かし、手の込んだ作品となっています。

これが制作時の作業風景の写真なのですが、まだ作品の完成形が見えてこないですよね。

野菜の色や形を活かした作品を、何も無い状態から生み出すことを考えると、つくりもんからは制作者の方々の想像力や知識、経験が感じられて、人の手でものをつくり出すことの面白みが詰まっていると思います。

私だったらどんな作品を作ろうかな〜?
考えてみると、なんだかわくわくしてきました…!

つくりもん初心者も経験者も、自由な発想で作ってみると今までにない面白い作品を生み出すことが出来るかもしれませんね!


☆2020つくりもんコンテスト締め切り(‪10月23日‬)まであと24日!

2020.09.28

移り変わるひと、まつり

こんにちは!吉田です。
今日は、調査の中で見えてきた、長いつくりもんまつりの変遷についてお話しします。

江戸時代に行われていた催しでは、藁で制作した5,6体の「つくりもの」を田んぼに展示していたとされています。
しかし昭和30年時代になると、民家の中で作品が展示され、出来栄えを競い合うコンクール形式が採用されました。日中だと家の中が見えてしまうこともあり、お祭りは夜に行われていたそうです!家族でつくりもんまつりに参加していたのですね。
その後、それぞれの車庫で展示が行われたり、町内単位で作品が制作されたりするようになると、作品の規模が大きくなり始めました。年間に40前後の作品が出品されるようになったのもこの頃です。
また、昭和43年にNHKテレビなどから取材を受け全国的に放送されてから、地域内外に関わらず多くの人がお祭りに訪れるようになりました。お祭り自体も地域をあげて準備され、今ではテントなどを設営して展示が行われています。

こうして振り返ると、家族から町内に、お祭りに携わる人の単位が変化し、
またつくりもんまつりが地域外にオープンになったことで、更に変化してきたのが分かりますね!

今回の2020つくりもんコンテストも場所を問わずに参加できるので、よりたくさんの方に参加していただけるのではないかと感じています。
今からワクワクがとまりません!

☆2020つくりもんコンテスト締切(10月23日)まであと25日!